松本人志がアメリカ人を笑わすためだけに作った映像が見事すぎる

松本人志がアメリカ人を笑わすためだけに作った映像が見事すぎる

日本の「お笑い」が世界で通用するかどうかをテーマに、松本人志が取り組んできたという企画「アメリカ人を笑わしに行こう」。アメリカでの「笑い」のリサーチなどを経て、松本人志が完成させたというコメディードラマ「サスケ」を公開。

全編英語で進行するこの作品を、あらゆる年齢層のアメリカ人200人に見てもらう。「日本テレビの人気バラエティ番組『進ぬ!電波少年』内の一企画「電波少年的松本人志のアメリカ人を笑わしに行こう」としてスタートした作品。ダウンタウンの松本人志が、自分の笑いがアメリカで通用するかどうか渡米して挑戦するという「Tプロデューサー」(企画の土屋 敏男の番組内での通称)のアイデアからスタートし、具体的にはアメリカ人向けにコント作品を制作して見せることになった。

この進行状況は、当時無名のお笑い芸人・坂本ちゃんがその年度の東大受験に挑戦する、歌手の華原朋美が独力でアメリカで歌手デビューするといったほかの企画と同時期に、2000年7月23日から11月23日まで『電波少年』で放送された。テレビドラマデータベースより)

この頃の松本さんは37~38歳ですから完全な熟成期なわけで、この頃の松本さんにこういった企画を持ちかけた土屋さんの嗅覚がスゴイなと感じますね。ここから数年後でも数年前でもダメだったと思います。この企画のタイミングはこの時がベストだだったと感じます。

「アメリカ人を笑わすためには全力で65点を取りに行くこと」と公言していましたが、まさにその予告通り、全力で65点を取り、アメリカ人を大爆笑に巻き込みました。幾ら才能があると言っても、この作品はアメリカの劇場で試写会程度に上映されたんですが、みんな大絶賛してたんですよね。「彼はきっと有名なコメディアンになれると思うわ」なんて言ってる若い女性もいたりして、その反響も面白かったですね。

100点を取れる人が65点を取ることというのは、30点しか取れない人が65点を取るよりは簡単に見えますが、実際はものすごく難しいと思います。便宜上、テストの点数形式で話されてますが、当然笑いは数値化しにくいもので、そこには感覚や経験、また、意地やプライドもあるわけで、35点もつまらないと思いながらも作品を完成させるのはものすごい労力だと思いますし、80点でも40点でもダメなので、この65点を狙ってきっちり取れるというのは見事としか言いようがありません。

第一回監督作品「大日本人」が公開されるのはここから7年後ですが、この頃映画を作っていたら、後世に残るものすごいものが完成していたかもしれませんね。